2013年5月31日金曜日

コスプレイヤー撮影会のジレンマ

コスプレを黒字進行(赤字を少なくする方法)させるための解法として、目下撮影会が一番やりやすいと考えてる。

それは、現状ではROMはおおよそ撮影権代わりであったり、ROM作成に関するノウハウがレイヤーさん側に無いことによる。

ただし、本来であればROMで黒字進行出来るのがよく、現状ではそれが望めないがための苦肉の策でしか無い。


同人誌と同じ観点で考えれば、作品を見てもらう場はイベント会場であり、わざわざROMの形に残さないでもよい。

しかし、それでは形に残らないと同時に、同人誌の様に頒布を受けることで応援している、されているという感覚を持つことがなかなか叶わない。

そしてROMにしても、現状の「撮らせてくれるから買う」という状況は、それはほとんど商業主義と同じで、仲間、と言うには程遠い。


自分の活動を見たいと思ってくれる人がいて、その人たちがROMの頒布を受けるという形で活動を応援してくれるから、活動していける。

頒布を受ける人達に於いても、自分たちが応援することで、その活動を見たいも思う人が活動を続けてくれる様になる。

同人活動ってのは、黒字進行であろうとなかろうとそういうものだと思う。


それは基本、商売の本来の姿であり、同人だって突き詰めれば商業主義ではないのかと言われれば、返す言葉もないのだけれど。

それでも、「同人」として、好きだからこそ、非営利で行われるものとしての枠の中で、みんなが参加者としてやっていく。

そういう形が、同人としての楽しさであり、同人としての在り方だと思う。


撮影会といえど、それがみんなの趣味の枠内で、みんなが参加者として進められるなら、同人だとしたいけれど。

どうしても商業的な雰囲気がつきまとう事もあり、「同人」という枠内に収まり切っていない感がある。

だから、それは現時点での苦肉の策としてしか、考えられない。




撮影会を行う本人としては、わざわざ同人の枠内に収まり切らないほどの額を出してまでも撮影会に参加してくれる事を、とても嬉しく、また大変な事として認識している様だ。

きっと、今回の撮影会に於いて、その気持ちの在り方はいい事だと思う。

うまくいく様に、何とかフォローアップしよう。

2013年5月30日木曜日

色空間について

カラーマネジメントでは、環境の色空間と色温度を正しく設定することが基本となることは先のエントリーに記載した通り。

ここでは色空間についてもう少し書いておく。


先のエントリーで、色空間とは色を表す座標系だということを書いた。

この、色を表す座標系で一番普及しているのはRGBだが、一般用途でもRGB以外の多数の色空間が使用されている。

例えば絵を書く人には馴染み深い明度、彩度、色相からなるHSV色空間、ビデオやJPEGで用いられるYUV色空間、印刷業界で用いられるCMYK色空間などがある。

それぞれの色空間は用途に特化した座標系となっており、たとえばHSV系は人が色を選択しやすいように設計されているし、YUV系は色を間引いて圧縮しやすいように設計されている。


色空間は相互に変換可能ではあるものの、1対1での変換は出来ないため、変換を行うと元の色の近似値となる。

RGBのデータを印刷用にCMYKに変換する際などに色ズレを起こすことなどがよく問題となる。

色空間の変換を行わなければならない時は、極力ソースの色空間のまま作業を行い、最後の段階で変換を行わないと情報の劣化を引き起こす。


色空間の変換を意識して行う機会はあまり無いが、よく行われている変換として、JPEG画像を取り扱う際には表示と保存の際にそれぞれ変換がかかり、画像劣化の原因となっている。

意図しない変換が繰り返し行われると、画像の色が徐々に抜けていくことになり、艶やかさが失われる結果となる。

ただし、レタッチソフトの類の保存では画像に対する演算手順を保存していて、色空間の変換は最後の出力時にのみ行うため、実用上はそれほど問題視する必要はない。


いずれの色空間においても、数学的には多次元空間のモデルとして定義され、各次元のパラメーター(チャネル)によって特定の色を指すことができる。

ただし、各パラメーターが意味的に同じものを表す場合においても、厳密に何を表すのかによりそれぞれの色空間は異なるため、統一されたモデルは理論的なものでしか無い。
(意味合い的に同じものを指す際の論理モデルを表色系という)

たとえばRGBのBが表す「青」といった時に、何を「青」とするのかにおいて国際的な定義はあるものの、純色としての青の定義は人やデバイスによりことなり得る。


もし基準が異なった場合、その色空間は異なった青を基準とした別の色空間となり各パラメーターを同一にしても同じ色を指さないことになる。

そうすると、一つの画像を基準の異なるディスプレイで表示した時には見えているものが違うことになる。

カラーキャリブレーションは、このズレを是正するために行われる。


カラーマネジメントについて

カラーマネジメントって解りにくいし、いざ拘ろうとするとお金もかかるので軽くまとめ。


まず、カラーマネジメントを考える際の基本は、色空間と色域を統一、もしくは正しく設定することになる。

色空間とは、色を表す際に用いる座標系のことであり、色域とは色空間において表現可能な色の範囲のことである。

デジカメ出力やCGの場合、おおよそ基本的な色空間はRGB、色域はadobeRGBかsRGBのいずれかになる。

印刷物に使用する場合、最終的な出力がcmykになることがあるが、一般家庭での使用においては考慮しなくて良い。

ROM作成時にジャケットの印刷を発注する場合、cmykに変換する必要が出てくるが、この時はソフトのファイルフォーマットの指定もかかるため、そのソフトによって最後にファイルを保存する際に変換を行えば良い。

adobeRGBはsRGBよりも表現可能な範囲が広く、色調を豊かにしたい場合は極力adobeRGBを使用するようにする。



実際に設定をする場合、最初にやるべき事はOS、もしくはソフトウェアがどの色域に設定されているかを確認する事になる。

明確で無い場合sRGBだと考えれば良い。

adobeRGBに対応可能である場合でも、単純にadobeRGBを選択すればよいかと言えばそうではなく、入力が対応している必要がある。

また、adobeRGBに設定した場合、webやROM向けのファイルを作成する際に色域の変換を行う必要が出てくるため、そこ手間を受け入れるかどうかも考えなければならない。


ソフトウェアの設定が明確になったら、次にカメラがその色空間の出力に対応しているかどうかを見る。

RAW運用でadobeRGBに対応していない場合、環境全体をsRGBに設定すべきとなる。

JPEG運用である場合や設定項目に色域指定が無い場合はこの限りではなく、adobeRGBとして運用を行えば良い。

これは通常のJPEG画像では色空間にYCbCrを用いていることと、RGBに変換した際の色域がadobeRGBよりも広いことによる。


カメラの確認が終わったら、今度はディスプレイがその色空間の出力に対応しているかどうかを確認する。

ディスプレイの色域については、ソフトウェアが対応している限りwindowsでもvista以降ならばカラープロファイルが正しく設定されていれば自動的に色域の変換を行ってくれるため、ディスプレイの対応可能な色域について過敏になる必要はそれほど無い。

ただし、色域の変換が行われている場合は正確な色で出力されているわけではないため、多少色が変化することは許容しなければならない。

問題なのはsRGBまでしか対応しないソフトウェアの出力をadobeRGB設定のモニタで出力する場合で、この時にはソフトウェアを色域の変換に対応したものを使用する必要がある。


最後に、プリンター、もしくは最終出力対象となるディスプレイの設定を確認する。

通常、自身で編集した画像を誰かに見せる場合は、印刷を行うか他者のモニターで表示することになる。

プリンターで出力する時にはカラープロファイルが正しく適用されていればまず問題はない。

しかし、他者のモニターで出力を行う場合、最終的な出力の内容をsRGBとして出力しておかないと色がおかしくなってしまう可能性があるため、adobeRGBで環境を整えている際には変換を行う必要が出てくる。


カラーマネジメントを行う場合、最低限上記した事については意識しておかないと、せっかく揃えた機材や設定した内容が逆に色ズレを起こす原因になりえてしまう。

そうはしないためにも、色空間や色域に対する理解を多少なりとも深めておくべきだろう。